■「週刊現代」の大崎善生の連載コラム(長崎少女殺人事件論)の勘違

cogitoergosum2004-06-16

 大崎善生という作家がいることは知っていたが、その作品を読んだことはない。将棋雑誌の編集長から大衆小説作家へと転身した人らしい。というようなことはどうでもいい。問題は、大崎が、「週刊現代」に連載しているコラムである。その最新号で「長崎少女殺人事件」を取り上げているが、その取り上げ方がまったく無知蒙昧、支離滅裂もいいところで、「ネット」や「2ちゃんねる」が犯罪の巣窟であるかのように思いこんでいるらしく、「2ちゃんねる」等にやつ当たりした上に、個人情報を掲示板に書きこんだ匿名者を逮捕しろ、とまで叫んでいる。
 ≪あんなどうしようもない掲示板、何でとっとと閉鎖されないのだろう。是非とも今回の書き込み者を逮捕して、匿名性の海から現実の社会に引っ張りあげて欲しい。≫
 この作家先生は、自分が時代の流れに乗り遅れていることも忘れて、こんなアホなことを書いているが、これが思想的に、あるいは法哲学的に何を意味しているかわかっているのだろうか。これは、一歩間違えば言論弾圧、思想弾圧に通じ、そして恐怖政治へとつながっていくようなデタラメな議論なのだ。ちなみに作家先生が、週刊誌等で悪罵雑言を吐き散らすことは言論の自由で大いに結構なことらしい。ところが、一般庶民がやっと手に入れた表現手段を使って、匿名で掲示板に書きこむことは犯罪だということらしい。では、伺いたいが、どこにその境界はあるのか。
 雑誌や新聞の「匿名コラム」も犯罪なのかね。ならば、まず、一般庶民を逮捕する前に東京新聞の匿名コラム「大波小波」や、文芸誌「群像」の匿名コラム「侃侃諤諤」の執筆者でも逮捕してくれ。(爆笑)
 しかも、この作家先生は、こんなことまで書いている。
 小学生がホームページを持ち、そこに詩や小説などの作品を発表することはケシカラン、と。いわく、作品を発表するのはまだ早過ぎる、だって。
 ≪しかし、今は小学生といえども自分のホームページ上で、日記や絵をはじめ好きなことを書いては次々と発表することができるのである。正直言って、それは間違っていると私は思う。あまりにも早過ぎる。≫
 私は、こういう意見こそ、「間違っていると思う」(爆笑)
 では、大崎先生、聞きますが、いくつになったら発表していいんですか。
 大崎先生はだいぶお年をめしてからデビューした作家のようですが。おいくつぐらいのデビューがよろしいか。
 先日の芥川賞は、19歳と20歳の「女の子」(爆笑)だったが、これはいいのだろうか。
 これは、要するにパソコンやネットに無知なオヤジのタワゴト過ぎない。年齢は私よりも年下のようだが、それにしても無知蒙昧、世間知らずがひどすぎる。自分のバカさ加減を棚上げにして、居酒屋でクダをまいているような中年オヤジ的常識論を書きつらねただけである。それにしても今とき、よくもこんなのんきなことが書けるものである。まったく驚きを通り越して、笑ってしまう。
 要するにこれは、新聞の読みすぎ、テレビの見すぎだね。


       (写真は某週刊誌が公開した加害少女?)